警察官になりたいけど、大学は卒業しておいた方がいいのかな?
警察官になりたいと思っている人であれば、誰もが一度は考えたことがあるかもしれません。
結論から言います。
警察官になりたいと思っているなら、一日でも早くなったほうがいいでしょう。
採用区分の問題だけで、はっきり言って現場に出てしまえば皆一緒なんですよ。
特に、警察官は体力勝負の場面がかなりあるため、現場での若さは何よりの武器になります。
とはいえ、
そんなに断言されても不安なんですけど…
こんな風に思ってしまう方も多いはず。
今回は、それぞれのメリットやデメリットなども踏まえて、警察官になるには大卒がいいのか高卒がいいのかについて解説していきます。
大卒警察官のメリット・デメリット
確かに、大学を卒業している分、メリットはやや多いかもしれません。
でもそれは、警察官になってからというよりは、なる以前の部分。
まずはメリットから見ていきましょう。
大卒警察官のメリット
採用人数が多い
これは、首都圏の県警のホームページを参考に作成したものですが、高卒コースと比較すると大卒をやや多めに採用していますね。
その分受験者も多くなりますが、倍率は大卒警察官の方が低い傾向にあります。
他の職業を選ぶ選択肢がある
バイトやサークルなど一通り遊んでいるので遊び方が分かる。
社会人になるまでのクッション材で、比較的自由な時間を取ることができます。
今警察官になりたいと思っていても、大学に行くことで視野が広がり、他の職種に興味を持つ可能性もあります。
単位さえ取れば取れる資格もあるので、せっかく大学に行くなら、そのあたりもしっかり押さえておくとよいでしょう。
論文に抵抗が少ない
基本的に大学のテストは論文。
警察のテストも論文形式なので、比較的抵抗が少ないはず。
大学に行った人全員が抵抗が少ないとは思いませんが、高校時代に比較すれば、明らかに論文を書く機会は増えます。
警察学校での教養期間がやや短い
採用試験に合格して、初任科生として警察学校に入校します。
これが全寮制でなかなかきついのですが、大卒コースはやや短めに設定されています。
研修期間は大卒コースだと約6か月、高卒コースだと約10か月の教養期間。
初人補習科コースも大卒コースだと約2か月、高卒コースだと約3か月の研修期間になります。
大卒コースの教養期間はやや短めです。
大卒警察官のデメリット
年下の上司や先輩につくこともある
これがなかなかきついって人、多いかも。
先に警察官になった方が先輩。
警察社会は、階級>拝命>年齢です。
中途採用で30歳で入ってきたとしても、拝命している19歳の方が先輩。
これがなかなか嫌だと思う人は、意外と多い。
嫌だと思う人は、さっさと階級をあげるしかありません。
大卒警察官にコンプレックスを持つ人もいる
これは一部かもしれませんが、コンプレックスの塊みたいな人もたまにいるので注意が必要。
大学を出ていて、なかなか仕事の要領がつかめないと【なにやってんだよ…】みたいな空気を出されることもあります。
それは警察官に限らないかもしれませんが。
高卒警察官のメリット・デメリット
先ほど、大卒警察官の表でも見たとおり、高卒で警察官になるには、なかなか倍率が高めです。
その分しっかり勉強を進めないといけませんね。
高卒警察官のメリット
早い段階で仕事を覚えられる
体力のいる警察官という職業を考えれば、早い段階で仕事を覚えられるのは、これ以上ないメリット。
自分の肌感覚として、たたきあげで上に行く人は高卒の方が多い(ように感じる)。
世代的に、今の上にいた人たちは大学が当たり前じゃなかったからかもしれませんが。
若いうちから、仕事で様々な経験を積めるのはかなりのメリットです。
大学に行く費用を浮かせ、社会に貢献している
働いているので、当然税金を支払い、自分で生活を成り立たせているなんて、すごいですよね。
大学生が遊んでいるときに社会の荒波に揉まれているなんて。
大学の費用も浮かせて、かなりの親孝行ものです。
高卒警察官のデメリット
社会経験が足りない
そりゃあ、高校生で制服着ていたのにいきなり警察官じゃなかなか無理がありますよね。
学生気分が抜けない子が結構います。
高校からストレートで警察官だと少し遊び足りてないかもしれませんね。
特に、警察官は制約もかなり多いので、かなり大変だとは思います。
学生であれば自分のお金で免許を取りに行ったり、海外に行ってみたりといった時間がありますが、そんな時間を取ることができません。
警察感になったら海外旅行に行くとか、まとまった時間を取ることができにくいってのが難点。
教養期間が長い
大卒コースと比べると、教養期間は必然的に長くなります。
とはいえ、逆を返せば、じっくり教養の時間をとってくれているということ。
警察学校は最初はきつくて嫌だけど、だんだんマヒしてくるのか今度は卒業して現場に出る方が怖くなっちゃうんですよね。
当然と言えば当然だけども。
昇任スピードと給料
一番気になるところだと思いますが、正直なところ大差ありません。
ここに関しては、入ってからどうするか次第。
17年勤務した肌感覚として、高卒か大卒は全く関係ないと思います。
昇任スピード
ざっくりとホームページから抜粋して作成してみました。
都道府県ごとに違いますが、受験資格は、巡査部長の受験資格を早く得られるかどうかの違いしかないことが分かると思います。
警部補からは受験年齢ほぼ一緒だし、全部一発で受かる人もまれです。
本人の努力次第とも言えるでしょう。
どんどん昇任したいのか、現場でたくさん仕事を覚えたいのかで分かれがち。
昇任試験に合格すると、たいていの場合異動になります。
早く違う所属に行きたいなら昇任試験に受かりさえすれば、自分で環境を変えることだってできます。
それとは逆に、自分の希望の職種についていたらできるだけその場所にいて仕事を覚えたいと思いますよね。
だから、昇任スピードがどうということはあまり関係なくなってくるもの。
正直、急いで昇任しても、実務の経験をしっかり身に付けていなければ部下になめられてしまいます。
試験に合格したってだけではついてこれませんよね。
自分に置き換えればわかるはずです。
何よりも大事なのは、実際にどんな経験を積んだのか、なんです。
給料
働く以上、気になるのはやはりお給料。
各都道府県警のHPから抜粋したものを書き出しましたが、これ、基本給の話。
確かに、高卒と大卒では3万円ほど差がありますね。
スタートは差がありますが、実際誰がどのくらいもらっているかなんてわからないし、自分の給料がどのくらいなのかしか意識しませんよね。
給料が増えるかどうかは【どこの部署にいるのか】で決まります。
例えば、刑事課のように残業ありきの部署にいれば当然給料は多い。
刑事を考えている方は、ぜひこちらもご覧ください。
ちょっと怖いことを言いますが、昇任したら給料が上がるというわけではありません。
実際、警部補で警察官の教養を担当する部署にいたとき、巡査時代の刑事課のときより給料が低い時がありました…。
基本給が上がっているので、ボーナスは上がっていたけど、月々の給料に驚いたこともあるほど。
だから、どこの部署で勤務するかがネックになるんです。
キツイ仕事であれば当然手当も手厚いですが、残業が多くなったり、ストレスがかかることも頭には入れておきたいところ。
とはいえ、せっかく警察官になるんなら、忙しい部署は経験しておいたほうが絶対にいい。
知識も得られるし何よりも、警察官として経験できることは片っ端から経験してほしいものです。
他の仕事では絶対に経験できないことだから。
警察官になるには大卒?それとも高卒?どっちが有利か徹底比較!まとめ
ご覧の通り、高卒なのか大卒なのかは、はっきり言って警察社会では大した差はありません。
試験さえ突破すれば出世することはできます。
実力社会であるとも言えますね。
ただ、忘れてほしくないのは、現場のことをわかっていないのに昇任してしまうと自分も大変なことになってしまうということ。
階級が上がるということは、それだけ責任も重くなります。
古い組織だと言われることも多々ありますが、上下関係がしっかりしているからこそ、守れるものもあります。
もし、警察官になりたいと思っているのであれば、大卒高卒問わず、早くなることをお勧めします。
そして、警察官は体調管理がなによりも重要です。こちらも参考にしてみてください!
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