刑事になりたかったのに留置管理課に配置された…
もしかして、これって左遷なの・・・?
自分の希望の部署に行けないと、ついこんな風に思ってしまいますよね。特に、留置管理課に異動となると、なかなか憂鬱になってしまう人も少なくありません。
でも、がっかりする必要はないんです。
だって、留置管理課は優秀じゃ無ければいけない場所なんですから。
実は私も、刑事になった後に配置されたのが留置管理課でした。
刑事になる前に留置管理課を経験するならわかるのですが、刑事を経験した後に配置されたもんだから、落ち込んだことは言うまでもありません。この記事を読んでいる皆さんと同じように、がっかりしたのを昨日のことのように思い出します。
つい、左遷されたんじゃないかとも思ってしまったのですが・・・。
気持ちを入れ替えて、留置管理の仕事にじっくり取り組んでみたら、刑事を経験していたからこそ知っておきたかった仕事が山のようにあったんです。
がっかりして腐った仕事をするのが、一番悪手だということに気付いた時間でもありました。
さすが刑事課の登竜門というだけのことはあります。
留置管理課の仕事、ものすごく大事です。刑事になろうと思っているならなおさら。刑事に限らず、交通、生安、警備…どこの部署をねらっていたとしても、留置管理課の業務はしっかり取り組むと必ず自分の力になります。
今回は、
・刑事や交通などの専務員になりたいと思っている人
・留置管理課に配置されて落ち込んでいる人
に向けて、地味なイメージのある留置管理課の仕事について解説していきます。
腐るかどうかは自分の気持ちひとつで違ってきます。
この記事を読めば、刑事をはじめ専務員を目指している人にとって、留置管理課はメリットしかないというのがわかるはず。
ぜひ、最後までご覧ください!
留置管理課ってどんな部署?
あまりなじみのない部署だし、なんとなく左遷された人が行くんじゃないかってイメージを持ちがちな留置管理課。
警察官自身も、留置管理の経験がない人にとってみたら暗いイメージを持っているもんです。
そりゃあそうですよね。仕事中も外との連絡を遮断しないといけないんですから。
確かに人気はない
留置管理課は何をする部署なのかってことを一言で言うなら、逮捕された被疑者の日常生活の処遇を管理する部署です。
攻めというよりは、守りの仕事がメインなんだね。
基本を遵守することが何よりも大事。そして、地味でちょっと暗い。
刑事みたいに華やかな仕事はないから、確かに警察官からも不人気な部署ではあります。バリバリ悪いヤツを捕まえたい!って人にとって見たらやはり物足りなさはあるかもしれません。
だから、若い警察官は特に行きたがりません。
ひたすら淡々と日々の業務を事故なくこなすって、結構苦痛に感じる人も多いもんです。血の気の多い警察官だったらなおのこと。
常に【完璧な仕事】が求められる
事故はなくて当たり前。留置場での事故は、取り返しのつかなくなるような事故であることがほとんど。
だから、常に完璧な仕事が求められます。
事故がなくて当たり前だし、積極的に何かをするような部署でもない。非常に評価されにくいってのもありますね。
かなり気を張る仕事です。
勤務形態としては、交番の勤務と同様に三交替制の勤務のパターンがほとんど。24時間働いて、非番、休みの繰り返し。
非番は必ず上がれるのは利点とも言えるでしょう。気を張った仕事を24時間やっているんですから、非番で事故が起こりやすくなりますよね。
だから、留置管理課の非番は必ずと言っていいほどきちんと上がることができます。交番勤務や専務員と違って事件を抱えるわけでもないので、次の当番に引き継いだら勤務終了。
逆を言えば、メリハリをつけないとできない仕事とも言えます。警察官はもっと非番をきちんと上がるべきなので、こちらの記事も参考にしてみてください。
優秀な人じゃないと基本的には異動できない
ごくまれに、左遷の配置にされることも確かにあります。でも、基本的に留置管理課へは、仕事ができる人じゃないと配置されません。
理由は、先ほどもお話しした通り、常に完璧を求められるから。
基本に忠実な仕事をすることができる人じゃないと務まらないんです。
基本をきっちり守れなければ成り立たない仕事ですから、サボりがちな人だったり、不真面目な警察官は配置できませんよね。
直で署長のクビがかかるような部署なので、仕事をきっちりやると認められた人が配置されます。
留置管理課で得られるスキル
留置管理課の別名、刑事の登竜門。
刑事の登竜門と言われるからには、その業務には、刑事に必要なスキルが凝縮されていると言っても過言ではありません。
地味な留置管理課だけど、実は、事件を扱う専務員にとってみたら大事なスキルが盛りだくさんなんです。
被疑者との対峙スキル
当然のことながら、逮捕された被疑者のサポートをするのが仕事。
何らかの容疑がかけられている被疑者の日常生活をサポートをするためには、毅然とした態度が必須です。
いろんなタイプの人がいるので、私情を挟まずに淡々と対処することが求められます。
不当要求をしてくるような問題を起こす人もいますし、急に暴れたりする人もいるし、逮捕後に精神的に不安定になってしまう人もいます。
人のちょっとした変化を見逃さないことって、専務員になる人にとって見たらすごい武器になるんですよ。
ぜひとも身に付けておきたいスキルです。
逮捕後の流れを知ることができる
警察学校で、逮捕の流れって勉強したはず。でも、実際どういうことかってわかりましたか?
留置管理課では、その流れを身をもって勉強することができるんですよ。
私自身、いまいち刑事課時代に理解できていなかったことが、留置管理課に配属されてようやく理解できたんです。
これは、私にとってはかなり大きな経験でした。
たとえば、
- 逮捕後48時間以内に送致する
- 最初の勾留は10日
- さらに延長で最大10日
こういうのって、教科書で見ただけじゃイマイチ実感できないんですよね。
だから、捜査するにしても、どんなペースで捜査したらいいのかとか、この日までにこの捜査をしなきゃいけないとか、いわゆる「逆算」に強くなれるんです。
流れを知っておくことで、専務員になったときの仕事の進め方が格段に違ってきます。
薬や病気の知識
ちょっと意外だったのが、薬や病気の知識。
留置に耐えられる人がほとんどだけど、持病を持っていたり、精神的に不安定な人が結構逮捕されているパターンが多い。当然、処方薬の管理も仕事のひとつ。
扱いが多いのは眠剤とか精神安定剤。
となると、必然的に薬の知識やどんな病気なのかを知っていないと対処できませんよね。
医師の説明を理解し、適切に薬を飲ませるのも大事な仕事。
であると同時に、そんな対応をしていることで、必然的に薬の知識や病気の知識が蓄えられていくのです。
刑事を目指している場合、薬や病気の知識ってあると結構使えるんです。
変死の現場でも、薬の知識ってあるのとないのとじゃ大違い。
もちろん、専門家ではないのできちんと裏付けが必要になりますが、刑事課に行くとこの知識は意外と重宝されます。
寄り道したからこそ見えるものがある
若い時は特に、【早い段階で刑事になりたい】【早く専務員になりたい】と思ってしまうもの。
ストレートで刑事になったほうが、経験を積めたんじゃないかなんて、考えてもおかしくありません。
その気持ちは、よくわかります。
でも、寄り道したからこそ見えてくるものもあるんです。
寄り道したからこそ、色々な知識を身に付けるチャンスなんですよね。
留置管理課から声がかかったらラッキー
若い時ほどストレートで専務員になりたいと思うもの。地味な仕事は極力避けたいと思ってしまいますよね。
異動時期に刑事課に入れなくて、留置管理課から声がかかるとついがっかりしてしまうもんです。
でも、声がかかったということは、あなたの仕事ぶりを周りが認めてくれている証拠です。
ここで断るのは、とてももったいない。
刑事になる前に、留置管理課から声がかかってがっかりすることなんてありません。
だって、優秀な人しかいけないですし、必要なスキルも身に付けることができるんですから。
声がかかったらラッキーと思ってみましょう。その経験は必ず後の警察人生に生きてくるはずです。
専務に登用されたときに深みが出る
結局、ワンクッション置くことで、深みが出るんですよね。
被疑者との対峙にも慣れていることでしょう。関係者から話を聴くときは特に、そのメリットを実感するはず。
回り道をしているからこそ、人間にも深みが出るもんです。
間違いなく、経験値は上がっているはずだから。
配置されたならその部署のプロを目指そう
確かに、くだらないと思うような仕事もあるかもしれません。でも、未経験の分野だからこそ、身に付けておくと後々必ず役に立つんです。
基本を逸脱した仕事は、留置管理課では認められません。
それだったら、プロを目指した方がかっこいいですよね。
警察官人生、どの部署でも学ぶべきことは必ずあります。
腐らずに、その部署のプロを目指すつもりで仕事をしていれば、必ず専務員への道がひらけるはずです。
留置管理課で実践を積んだ後は、自分の畑を育てていきましょう。こちらの記事もぜひご覧ください。
留置管理課への異動は左遷じゃない!刑事になりたければ通過しよう まとめ
留置管理課になったということは、仕事ぶりが認められているということ。これは間違いありません。
留置管理課から声をかけられたなら、迷わず飛び込んでみましょう。
- 被疑者との対峙スキル
- 逮捕後の流れを実践で覚えられる
- 薬や病気の知識
こんな魅力的なスキルは、留置管理課ならでは。確かに地味ではありますが、必ず後で生きてきます。
決して左遷ではありません。まずは、腐らずにその道のプロを目指してみるのもアリだと思います。
結果は必ず後から付いてくるはず。
決してあきらめずに今できることをやってみましょう。
刑事になりたいと思っている人はこちらの記事も参考にしてみてください。
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