警察官と結婚する場合、必ず頭に入れておきたいこと。
それは、人事異動。警察官と切っても切り離せないものの1つです。
・警察官は転勤が多いけど、本当に共働きできるのかな?
・専業主婦にならないとやっていけなくなるかもしれない・・・。
異動の多い警察官を配偶者に持つと、こんな不安を持ってもおかしくありません。頻繁に転勤があったら、そりゃあ不安になっちゃいますよね。
でも、人事異動がどんなものか知ってれば、対策は立てやすくなるものです。
今は、女性警察官も増えてきていることもあり、警察官同志で結婚することも多いんですよ。(女性警察官に出会いがないという問題はまた別の機会に・・・)。
警察組織も、仕事と家庭とのバランスを考える過渡期にあります。
まだまだ足りない部分はあるものの、改善しつつあるのが現状です。一昔前までは、警察官と専業主婦の組み合わせが圧倒的に多かったのですが、今は、共働きの警察官が増えてきています。
とはいえ、警察官って、あまり仕事の話は話してくれないし、不安に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
- なぜ警察官はこんなに異動が多いのか
- 階級別で見る異動の可能性
- 人事異動で注意しておきたいこと
などについて解説していきます。
共働きは、もはや当たり前の時代になってきています。
むしろ、働きたいという気持ちがあるのなら、それは絶対にあきらめないでほしい。
警察官にとって、異動期は何かと不安定になってしまうので、この記事を読めば【あ、こんな感じなのか】と思っていただけるはず。ぜひ最後までご覧ください。
なぜ警察官には異動があるのか
そもそも、なんでこんなに頻繁に警察官は異動するのか。大きな異動は春と秋の年2回ですが、結構な数シャッフルされるんですよね。
私自身、警察学校を卒業してから、8か所の所属に異動しています。ただ、この間育休もありましたし、多い人はもっと頻繁に転勤があります。
昇任すれば異動があるし、本部でほしい人材であれば本部に異動になったりもします。
なんで異動があるのか。
その答えをもっともらしく言うなら、【組織を活性化するため】。詳しく見てみましょう。
警察官自身のモチベーションを維持するため
- ずっと憧れていた刑事になれるかもしれない
- 異動があることで、苦しい仕事もあと少しだと思える環境ができる
- 希望していた所属に行けるかもしれないという期待
ずっと同じ場所にいるのって、苦しくなりませんか?
それを解消するのが、異動なんですよね。
おおむね、1つの所属で3年~4年程度。長くても5年と言われています。5年を超えて同じ所属にいることは極めてまれ。
5年が近づいた警察官は、ちょっとソワソワしてきます。
飽きがくると、どうしても手を抜きたくなるもの。それは、人間であれば当然でしょう。ところが、警察官という職業は、仕事に飽きたからと言って手を抜くなんてこと、絶対に許されませんよね。
ま、手を抜くのが許されないのって、どんな職業も同じですが。警察官の場合は人の命にもかかわってきてしまうからなおさらです。
長い時間同じ場所にいると、慣れが生じる。これは、警察官としては致命的なので、定期的に異動があるんです。
新しい環境に行けば、また心機一転。リフレッシュできるもの。リフレッシュすれば、組織としても活気が出てきますよね。
なんとなく、組織自体がフレッシュになるような感じに見えませんか?
シャッフルすることで新しい目線を
刑事のときによく感じていたことですが、なかなか解決できない事件が、担当が変わることでぽっと解決することがあるんです。
これ、なんでかっていうと、新しい目線で事件を見たときに、思わぬ糸口が見えたりするからなんですよ。不思議ですよね。
これぞまさに、活性化。
違った視点から物事を見ることができるってことか。
ずっと同じ人が担当しているよりも、好転する場合って、実は結構あるんです。
組織に新しい風を送ることができるのは、人事異動の醍醐味とも言えるでしょう。
人事異動期の警察官はちょっとナーバス
人事異動の前後ってちょっとナーバスになりがち。
自分が異動する場合、当然新しい環境に行くことになるから不安になりますよね。
逆に、自分に異動がなかったとしても、信頼していた上司が異動でいなくなってしまうとか、仲が良かった同僚が異動してしまうなんてこともあり得ます。
警察官だって、人間。結構気持ちが揺れ動いちゃうもんなんですよね。
仕事に慣れるまで3ヵ月待ってみよう
実は、私も異動の時期がちょっと苦手でした。新しい環境に慣れるって、結構メンタルに負担がかかるもんです。
異動して、新しい環境になると、『早く仕事を覚えなきゃ!』と焦ってしまいがち。
かといって、急いで仕事を覚えようとする必要はありません。
もちろん、仕事を覚えるのは早い方がいいのは当たり前ですが、最初の数週間で仕事を覚えよう!と思っても、無理です。焦ってもいい結果は決して出ません。
ここで、私が実践していた方法をお伝えします。
それは、異動後の3ヵ月は焦らないこと。
まずは3ヵ月、環境に慣れることを最優先してみてください。3ヵ月あればだいたいの仕事を経験することができますから。
最初はわからないことばかりで大変ですが、3ヵ月って意識すると、意外と気持ちをゆったり持つことができるんです。ぜひ試してみてください!
人間関係がほぼリセットされてしまう
県警の規模にもよりますが、首都圏近郊の警察だと人間関係はほぼリセットされます。一から人間関係を構築しなければなりません。
これ、結構面倒なんですよね。
異動を何度経験したとしても、憂鬱になってしまいがち。
たまに過去に一緒に仕事した人と同じ所属になることもありますが、ほぼほぼ知らない人のところに放り込まれるようなもの。よく知らない人と仕事するのって、なかなかハードですよね。
【誰とでもそこそこ話せるスキル】を身に付けられるのは、異動の多い警察官ならではなのかもしれません。
表面上はうまくやっているように見えていても、相当のストレスはかかっています。くれぐれも、油断しないようにしましょう。
急な休みには対応できなくなりがち
自分が異動したときはもちろん、休みは取りにくくなります。
新しい仕事に慣れるのに、どうしても時間を割きたくなるものだから。
時に、自分の休みよりも仕事を優先してしまう人も多いものです。
異動がなかったとしても、新しい体制で、仕事を知っているのは自分だけと言う環境になってしまえば、しばらくは休みにくい環境になってしまいますよね。
異動の可能性があるにせよ、ないにせよ、異動後3ヵ月くらいは大きな予定を入れないことをお勧めします。
階級別で見た異動の可能性
警察官は階級社会。階級によっても、異動のスパンは違いますし、独身か既婚かでも異動の範囲は違ってきます。
タイプ別に分けてみたので、一つずつ見てみましょう。
独身×警部補以下の階級(若手)
県内どこに異動してもおかしくありません。北から南まで、はたまた東から西まで。どこに行くかわかりません。
異動で引っ越しする可能性は常に意識しておきましょう。
この時期は、積極的に仕事をするときでもあります。経験値を積んでやる!くらいの意気込みでいたほうがいいでしょう。
たとえ、小規模の警察署に異動になったからと言って落ち込む必要はありません。むしろ、小規模の署に行くということは、あらゆる経験を味わうことができるチャンスです。刑事であろうと、交通の現場に行くこともあったりします。
大事なのは、決して腐らないこと。
すべての仕事は自分の糧になると信じて動いてみることが大事です。
ただし、このパターンは結婚前の恋人段階である場合がほとんど。遠距離恋愛になる可能性があります。覚悟しておきましょう。
既婚×警部補以下の階級
警部補以下であれば、ほとんどが県内の異動にとどまります。警部補だと、ごくまれに県外の機関への出向になる場合もありますが。
基本的には、なるべく単身赴任にならないような場所への異動になるはずです。とはいえ、通勤時間2時間程度の所属への異動は十分にあり得ます。
8時半から勤務だとすると、6時過ぎには出ないといけなくなるので、なかなか厳しいですね。
通勤時間が短いと、仕事に集中できるのですが。
このあたりも改善が必要なんじゃないかな、と個人的には思います。
後でも解説していますが、家族関係で配慮が必要な場合は、必ず報告をしておきましょう。
警部以上の階級
警部以上は、独身か既婚か関係ありません。警部になると、県内どこでも異動はあります。警察庁やそのほかの機関への出向もわりと頻繁にあります。
異動の頻度も1~2年のペースで回ってきますし、単身赴任もありえます。
警部になるということは、家族も覚悟が必要なんですよね。
配偶者が警部になったときの心構えについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
人事異動に関して意識しておきたいこと
これだけ頻繁に異動があると、なかなか心が休まる日はなさそうですよね。
警察官にとってみたら、異動はつきものなので、しっかり向き合っていくしかありません。
望まない部署に異動になってしまった場合は?
- 確実に異動したいなら昇任試験の勉強を開始する
- 嫌だったとしても、その場所にいることで見えてくるものもある
- もしや、転職・・・?
望まない所属に異動になることは、警察官であれば誰しも経験するはずです。そんなときは、一旦冷静に自分の人生と向き合う時かもしれません。
こちらの記事で、望まない部署に異動になったときの対応について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
プライベートは上司にさらしてなんぼ
異動が終わると、次の異動に向けて、勤務地の希望調査があります。はっきりいって、この希望調査はあくまでも個人の希望です。ほとんど通ることはありません。
とはいえ、自分の希望を言わないのはNGです!
通らないのはわかっていたとしても、希望は出し続けてください。
- もうすぐ子供が生まれるから、まだ異動したくない
- 介護があるから自宅からなるべく近場にしてほしい
このような家庭の事情であれば、考慮される可能性は高くなります。
きちんと希望調査には乗せておきましょう。
プライベートはあまり上司に話したくない、という方もいらっしゃるかもしれません。でも、警察官という仕事の特殊性を考えると、話さないでおくほうが自分の首を絞めることになります。
子どもの面倒を見るのが大変なのに、プライベートのことをあまり報告していなくて、忙しい部署に入れられてしまったなんてこともザラにあります。
家庭の事情はしっかりと伝えておきましょう。
異動先が近かったとしても、急な呼び出しが多い部署はあります。そのパターンも考えておきたい場合は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
マイホームの検討は慎重に
マイホームを購入したら、自宅から遠くないところに異動になる・・・とも言われていますが・・・。【遠い場所に異動したくないから】と言う理由で、マイホームを買うのはお勧めできません。
マイホームの購入は、慎重になるべき!
警察官がマイホームを買う時の注意事項はこちらにまとめています。ぜひご覧ください。
警察官がいる家庭必見!人事異動を知って共働きを乗り切ろう まとめ
大型の人事異動は春と秋にあります。その時期をうまく乗り切れるかどうかは、プライベートが安定している必要があります。
どうしても、警察官自身も不安定になりがちな時期。ですが、異動があることで新たな気持ちで仕事に臨むことができます。
- 仕事に慣れるまで3ヵ月待ってみる
- 家庭環境に変化がありそうなときは報告する
- 結婚式など大きめの予定は入れるのを避ける
3ヵ月も経てば、自分なりの仕事ができるようになるはずです。
まずは、3ヵ月環境に慣れることを意識して、無理をせずに仕事をしていきましょう。
このほかにも、共働きについて書いた記事がありますので、こちらも参考にしてみてください。
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